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食べるだけが薬膳じゃない~きれいな食事のススメ~

食べるだけが薬膳じゃない~きれいな食事のススメ~

薬膳コンシェルジュ協会 代表理事 杏仁美友

最近、薬膳料理を習ったり、漢方薬を飲んでいる方と接することが増えてきました。

中医学が認知されてきた証拠でもあるので、それは嬉しいことです。

しかし、「実践していても体調がよくならなくて」と残念な話を聞くことも少なくありません。

今回は薬膳や漢方薬を用いるにあたって、大事な心得をご紹介いたします。

人によって合う食材が異なります。



中医学がベースになっている薬膳では、2つの大きな基本理念があります。

まず、ひとつは、「その日の体調や体質にあわせた食事をとる」ということです。

カラダが冷えていれば温かいものを食べ、うるおい不足いなら、体液を補うような食材を食べるのが薬膳です。 重要なのは、自分に合っているかどうかです。

例えば、私は玄米が合うけれど、あなたには玄米は合わないことがあるということです。

玄米は精製した白米にはない栄養がたっぷり含まれていますが、胃腸が弱いタイプは玄米を食べても消化がきちんとできず、胃もたれを起こすことも少なくありません。

わたしたちも食べ物も生薬も自然の一部です。



もうひとつは「自然に逆らわない」ということです。これは食べ方というより、生き方ですよね。

自然のなかに私たち人間も生かされているので、自然を無視した行動をしてはいけないということです。

暑い季節はカラダの熱を冷ますものを食べて体温調節をし、寒い時期は鍋やスープなど温かいものを口にして、カラダの芯から温めましょう。

なお薬膳では、普段使う食材以外に、生薬を入れることがあります。 生薬は草や花、根っこや茎などの天然物が多いですよね。

つまり生薬も自然界に溶け込んでいるもので、わたしたちが口にする食事と隔たりはないのです。

薬膳に必要なのが養生。



以上の2つが薬膳の基本ですが、それらを実践するときに欠かせないのが「養生」です。

養生とは、「病気を防ぎ、健康を維持するためにはどうすればいいかを考えて過ごすこと」です。

たとえば、現存する最古の医学書『黄帝内径(こうていだいけい)』には、「春は夜更かしすることなく、朝は早く起き、散歩をしたり万事のびのびと過ごすとよい」と、記されています。

春はどんどん陽気が増すので、適度に体を動かす事は体にも良く、逆に動かないでじっとしていると、陽気が体の内にこもってしまい病気になる原因を作ってしまいます。

また、逆に陽気の勢い以上に過度な労働をしたり、神経を使いすぎると、夏ごろに冷えに悩まされる病気になるとあります。

また、麻黄湯(まおうとう)という風邪やぜんそくに用いる漢方薬があります。

『傷寒論(しょうかんろん)』という有名な書物には、この用法として、服用後は布団に入って汗をかかせると書かれています。

薬膳やお薬は、養生があってはじめて発揮されるものともいえます。 きちんと睡眠をとり、ストレス発散し、心身ともに疲れをためないことも大事です。

そうすると口にしたものとともに体内にエネルギーが蓄えられ、病気に打ち勝つ力が生まれるのです。

薬膳コンシェルジュ協会 代表理事 杏仁美友
一般社団法人 薬膳コンシェルジュ協会 代表理事
杏仁美友

1972年東京生まれ。
漢方薬や薬膳で自身の体調不良を改善したことをきっかけに、漢方や薬膳の世界に興味を持ち始める。

2011年に薬膳コンシェルジュ協会を設立し、学んだ知識がすぐに役に立つ薬膳の資格講座の運営にも力を注いでいる。

テレビ・雑誌・ラジオなどの取材、大手外食レストランチェーンの薬膳メニューの監修、総合情報サイト「All About」公認漢方・薬膳料理ガイド、薬膳サプリの商品開発、食材性能PR、講演会なども精力的におこなう。

「こころに漢方を、くちびるに薬膳を」をモットーに、身近な食材を使ったカンタン薬膳やわかりやすい漢方の知恵を紹介している。

杏仁美友サイト http://kyonin-miyu.com/
薬膳コンシェルジュ協会サイト http://www.y-concierge.info/

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